確信あふれる詩人のまなざし

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開闢(かいびゃく)以来、人間と云ふものは、愛読家である(P50)
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『ユウゴオ論説集』は、19世紀フランスの詩人ヴィクトル・ユゴーの評論を集めた選文集である。1915年(大正4年)刊。内容は歴史観や文明観、詩人論、芸術論、人物評伝など多岐にわたる。「理想を実現することが文明である(中略)詩が発達すれば、思索者は野蛮を放逐して、世は文明に赴くのである」(P52)など、大言壮語にも似た確信あふれる論評は、いかにもユゴーらしい。理想は高く、現実は厳しく――。情熱と冷徹を兼ね備えた詩人のまなざしに惚れる。