好事家の楽園
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世界の著名人の自筆書簡の内、
概して云えば、最高の価格のものはベートーヴェンのである。
それは最も稀覯であるせいもあるが、
又この偉大な天才の、人類の幸福に対する寄与の大きさ、
評価の高さを示すものであろう(P7)
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『西欧名家文豪自筆書簡原稿目録』は、古書肆「弘文荘」が1974年(昭和49年)1月、日本橋三越で開催した展示即売会の販売目録である。タイトルの通り、西欧の偉人の自筆書簡や草稿類を集めたもので、商品の写真と解説文、そして価格が示されている。
出色の品は「ベートーヴェン自筆書簡」であろう。1823年2月26日、C・F・ピータースに宛ててウィーンで書かれたもので、20世紀前半のフランスを代表するピアニスト、アルフレッド・コルトーの旧蔵品だという。商品の解説も「この署名入の、しかも十分に内容のある書簡を提出し得る事は、全く幸運の致すところで、よろこびに堪えない」(P7)と興奮気味に綴られている。価格は450万円(当時)。

そのほかゲーテやシラーの自筆書簡、トルストイやゾラの自筆草稿、ゴヤやモネなど画家の書簡、ナポレオンなど重要人物の命令書など全92点を収録。即売会の会場は、好事家の楽園となったことだろう。
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世界の著名人の自筆書簡の内、
概して云えば、最高の価格のものはベートーヴェンのである。
それは最も稀覯であるせいもあるが、
又この偉大な天才の、人類の幸福に対する寄与の大きさ、
評価の高さを示すものであろう(P7)
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『西欧名家文豪自筆書簡原稿目録』は、古書肆「弘文荘」が1974年(昭和49年)1月、日本橋三越で開催した展示即売会の販売目録である。タイトルの通り、西欧の偉人の自筆書簡や草稿類を集めたもので、商品の写真と解説文、そして価格が示されている。
出色の品は「ベートーヴェン自筆書簡」であろう。1823年2月26日、C・F・ピータースに宛ててウィーンで書かれたもので、20世紀前半のフランスを代表するピアニスト、アルフレッド・コルトーの旧蔵品だという。商品の解説も「この署名入の、しかも十分に内容のある書簡を提出し得る事は、全く幸運の致すところで、よろこびに堪えない」(P7)と興奮気味に綴られている。価格は450万円(当時)。

そのほかゲーテやシラーの自筆書簡、トルストイやゾラの自筆草稿、ゴヤやモネなど画家の書簡、ナポレオンなど重要人物の命令書など全92点を収録。即売会の会場は、好事家の楽園となったことだろう。
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