魂を更新すること

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沈黙の中で
勇敢な魂は自らと向き合い
自分自身のあるべき姿を見定める
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スウェーデンの社会思想家・教育学者・婦人運動家として知られるエレン・ケイの自筆書簡である。1911年11月18日付。自身の著書『エセー』の一節を書き写したものだが、宛名など手紙の前半部分は失われている。

「沈黙の中で、勇敢な魂は自らと向き合い、
自分自身のあるべき姿を見定める。それこそ
人間的な成長に欠かせないものであることを知っているから。
そうすることで私たちは、悩みを喜びに、愚かさを英知に、
敗北を勝利に、無為を使命に転じて成長していけるのだ」

生活の雑音が届かない、自らの内なる地下の聖堂に降りてゆく習慣は、人生を真に生きるために必要な日課だと思う。そこに、すべてがあるのだから。エレン・ケイは理想的な社会と幸福な人生を追求する中で、一人ひとりの魂を更新する必要性を痛感していたようだ。

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エレン・ケイの肖像と筆跡
(本間久雄訳『全訳 来るべき時代の為に』北文館)