35:上田秋夫訳『続マルチネ詩選』日新館
- 2014/08/18
- 06:11

人間を信じて現実と向き合う~~~~~~~~~~人間的な優しさを私は何も見棄てはしない(「出発」P137)~~~~~~~~~~フランスの詩人マルセル・マルチネの選詩集である。高知県出身の詩人でマルチネの友人だった上田秋夫による翻訳で1931年に出たもの。本書は続編であり、前年に『マルセル・マルチネ詩選』が出ている。本書には社会の動きに強い関心を持ち、積極的に関わろうとしたマルチネらしい詩編が並ぶ。例...
34:マルセル・マルチネ著『夜』1922年版
- 2014/08/14
- 06:48

人間性回復のために~~~~~~~~~~真実、真実、それが我々の武器だ(佐々木孝丸訳『夜』平凡社 P91)~~~~~~~~~~フランスの詩人マルセル・マルチネの戯曲「夜」、1922年に出た第2版である。初版は前年の1921年に出版された。本作は第1次大戦末期、ドイツ軍の一部水兵が反乱を起こし、大衆蜂起、ドイツ帝政の崩壊とヴァイマル共和政の誕生、大戦終結へとつながったドイツ革命に暗示を受けて書かれたと...